スギだけじゃない?!国民の約4割が悩む花粉症と、果物アレルギーとの意外な関係
📋 「HEAT-WISE試験」研究参加のお願い

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最初に、すこしだけお話しさせてください。
私たちは、アトピー性皮膚炎のある方のインナー選びや日常生活に役立つ知見につなげることを目指して、無記名Webアンケート研究(HEAT-WISE試験)を行っています(倫理審査委員会の承認を得て実施している研究です)。実際の症状や衣類選択の状況は、今の季節だからこそ分かる大切な情報なので、アンケートは【3月31日(火)】で締め切る予定です。
また、吸湿発熱繊維インナーでかゆみが気になった方だけでなく、特に気にならなかった方のご回答も、研究にとって同じくらい重要です。
どちらのご経験も、実態を正しく理解するために欠かせません。
もしよろしければ、ご協力いただけましたら幸いです。
■ 対象:日本在住の12歳以上で、医師からアトピー性皮膚炎と診断されたことがある方
■ 内容:無記名(匿名)Webアンケート(10分程度)
■ 参加:完全に任意です。回答前であれば、いつでも中止できます。
■ 詳細:詳しい説明と同意事項は、アンケート先頭に記載しています。
アンケートはこちら:https://forms.gle/xRVK4jALva9UgaYZ8
※12〜17歳の方は、保護者の同意が必要です。詳細はアンケート先頭をご確認ください。
※ご質問はXの返信欄ではなく、アンケート内のお問い合わせ先へお願いいたします。返信欄での症状のご相談はお控えください。
ある日の診療終わりの医局。 ほむほむ先生のもとに、熱心な研修医のA先生が少し険しい表情でやってきました。手にはメモ帳を握りしめています。花粉症は春のスギだけでなく、夏や秋にも症状を引き起こし、ときには思いがけない食べ物との関係まで見えてくるという話を耳にしたのです。
本記事を最後まで読めば、
・風邪と花粉症、見分ける具体的なポイントは?
・スギ以外の季節の花粉と海外の花粉症事情は?
・果物や豆乳で口がかゆくなる原因と最新の検査は?
これらの疑問にお答えできるよう執筆しました。
花粉症の基本と、風邪との見分け方

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A先生「ほむほむ先生、ちょっと相談させてください。最近、外来で『風邪が2週間くらい続いているんです』と受診されるお子さんのなかに、調べてみたら花粉症だったというケースが立て続けにあって……。改めて、見分け方のコツを教えていただけませんか?」
ほむほむ先生「もちろん、いい質問だね。その悩みは多くの先生が通る道だよ。花粉症は正式には『季節性アレルギー性鼻炎』と呼ばれるんだけど、原因となる花粉が体内に入ると、免疫が花粉を異物と判断して『IgE』という抗体を作るんだ。次に同じ花粉が入ってきたとき、この抗体が引き金になってアレルギー症状が出る。これが基本的な仕組みだよ。」
A先生「くしゃみ、水のような鼻水、鼻づまり、目のかゆみが4大症状ですよね。でも風邪でもくしゃみや鼻水は出ますし、お子さん本人は『かゆい』をうまく言葉にできないことも多くて……決定打がなかなか見つからないんです。」
A先生の声には、日々の臨床で感じている率直な戸惑いがにじんでいた。ほむほむ先生はうなずいた。
ほむほむ先生「A先生の言う通り、そこが難しいところだよね。一番頼りになる手がかりは『期間』なんだ。小児の風邪症状がどのくらい続くかを調べた系統的レビュー――これまでの研究をまとめて分析した論文なんだけど――によると、いわゆる普通の風邪の場合、症状の多くは1〜2週間で改善し、9割は約15日で落ち着くと報告されているんだよ [1]。もちろん2週間でも症状が残っておかしくはないんだけど、目安になるよね。」
A先生「15日、つまり2週間ちょっとでだいたい鼻水は収まる……。ということは、2週間を超えてもサラサラの鼻水が続いているようだと、風邪以外を考えたほうがいいわけですね。」
ほむほむ先生「そういうことだね。米国NIHの資料でも、風邪の症状は最長でおよそ2週間、一方で花粉などによるアレルギーはアレルゲンに曝露されている限り持続する、と整理されているんだ [2]。そしてもう一つ、鼻水の性質に注目してほしい。風邪だと途中から黄色っぽく粘り気のある鼻水に変わることがあるけど、花粉症では最初から最後まで透明でサラサラのままというのが基本なんだよ。」
A先生「なるほど……。そういえば以前、親御さんが『この子は鼻水は出ているけど色がないから風邪じゃないですよね?』と聞いてきたことがありました。あのとき、もう少し注意深く経過を追えばよかったな、と今になって思います。」
ほむほむ先生「そういう振り返りができるのは大事なことだね。日本のアレルギー性鼻炎診療ガイドラインでも、くしゃみ発作、鼻のかゆみ、水様性鼻漏、鼻閉を典型症状として挙げているんだ [3]。さらにJAMAのレビューでも、アレルギー性鼻炎の代表症状として鼻漏や鼻閉が挙げられていて、引用された国際研究では鼻漏が約90%、鼻閉が約94%の患者にみられたと報告されているよ [4]。つまり、『強いかゆみを伴い、水っぽい鼻水がずっと続く』というのが花粉症を強く疑うサインだね。もちろん、水っぽい鼻水だからといって、全部を花粉症とせずに、他の症状との合せ技で絞り込んでいけばいいんだね」
A先生はメモ帳にさっと書き込んだ。「2週間の壁」と「鼻水の色と質」――臨床で使える二つの目安が手に入った手応えがあった。
スギだけじゃない!日本の多様な花粉症

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A先生「期間と鼻水の性状で見分ける、しっかり覚えます。……さて、日本で花粉症といえばやはりスギが圧倒的だと思いますが、実際の有病率はどれくらいなんでしょうか?」
ほむほむ先生「全国調査では、スギ花粉症の有病率は1998年に16.2%、2008年に26.5%、そして2019年には38.8%まで上昇したんだ [5][6]。約10人に4人という計算になるね。」
A先生「20年余りでここまで増えているとは……。学校のクラスでも10人以上が花粉症という計算ですよね。5〜9歳でも30%を超えるデータがあると聞いたことがあります。小さなお子さんの低年齢化も進んでいるんですね。」
ほむほむ先生「そうだね。そしてもう一つ押さえておきたいのが、スギ花粉症の人の約70%はヒノキ花粉にも感作されているという点なんだ [6]。スギの主要アレルゲンCry jとヒノキのCha oは構造がとても似ているので、スギの季節が終わっても、そのままヒノキの時期へ症状が継続してしまう。春先が長く辛い理由はここにあるんだよ。」

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A先生「7割も……。だから『3月の終わりに楽になるかと思ったら、4月半ばまで続いた』と訴える方が多いんですね。では、スギやヒノキが飛ばない季節にも症状を訴える方がいますが、あれは何が原因なんでしょうか?」
ほむほむ先生「初夏から夏はカモガヤやオオアワガエリなどイネ科の花粉、秋にはブタクサやヨモギなどキク科の花粉が飛散するんだ。スギが少ない北海道ではシラカンバが春の主要原因で、北海道内13施設の調査でも花粉抗原のなかでシラカンバが最上位だったんだよ [7]。旭川や札幌で特に陽性率が高く、海岸部では低いという地域差も示されているよ。」
A先生は「シラカンバ……」とつぶやいた。北海道出身の友人が『春になるとリンゴを食べると口がかゆくなる』と話していたのを、ふと思い出したからだ。今はまだその記憶の断片がどこにつながるか、A先生自身も気づいていない。
「花粉症の季節になると、果物を食べて口がかゆくなる」——そんな経験やお子さんの訴えはありませんか?
実はこれ、花粉症と深く関係する現象です。 ここから先では、その仕組みと、見落とすと危険な重症化リスク、そして正確な診断につながる最新の検査まで、詳しく解説します。
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- 世界の花粉症事情と、気候変動の影響
- 要注意!花粉症と果物アレルギーの意外な関係
- 正確な診断と、これからのアレルギー対策
- まとめ
- 参考文献
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