その薬、夏は危険かも?熱中症を起こしやすくなる薬とは?
猛暑が続く日本。小児科専門医「ほむほむ先生」のもとで学ぶ研修医の「A先生」は、日々の診療に取り組んでいます。そんなある日、A先生がほむほむ先生に話しかけました。
A先生「先生、少しよろしいですか?この間、YouTubeである救急医の先生が、『夏の間に抗ヒスタミン薬を飲むと熱中症になりやすくなって危険』っておっしゃっていたんです。実際にそのようなことがあるのでしょうか?」
ほむほむ先生「それは大切な視点だね。例えば花粉症などで多くの人が使う『抗ヒスタミン薬』は、熱中症のリスクがあるんだ。でも、その『世代』によって熱中症との関係性が全く違うんだよね。他にも結構あったりするよ。今回は熱中症になりやすくなる薬に関して一緒に考えてみようか。」
本記事を最後まで読めば…
・アレルギー薬で熱中症になるって本当?
・抗ヒスタミン薬の「世代」や種類で何が違うの?
・夏に注意すべき他の身近な薬とは?
これらの疑問にお答えできるよう執筆しました。
なぜ薬が熱中症を引き起こすの?体に起こる変化

ChatGPTで作画
ほむほむ先生「さて、A先生。薬がどうして熱中症のリスクを高めるのか、そのメカニズムから整理してみようか。」
A先生「はい、リスクがあることは知っていても、どうしてそうなるのかうまく説明できないんです。」
ほむほむ先生「一番大きな理由は、『発汗の抑制』だね。人間は汗をかいて、それが蒸発する時の気化熱で体を冷やすだろう?いわば、体に備わった“天然の冷却装置“みたいなものなんだ。」
A先生「天然の冷却装置…。それを邪魔してしまう薬がある、ということですか?」
ほむほむ先生「その通り。特に『抗コリン作用』という働きを持つ薬が、汗を出すための神経伝達の指令をブロックしてしまうんだ[1]。」
A先生「なるほど…!『抗コリン作用』が、冷却装置のスイッチを勝手にオフにしちゃう、というイメージで合っていますか?」
ほむほむ先生「まさにそんな感じだね。汗をかけなくなれば、当然、体の中に熱がこもってしまう。これが一つ目の大きな理由だ。他にも、脳の体温調節中枢の働きを鈍らせたり、利尿薬のように脱水を進めてしまったり、薬によって色々な形で熱中症に繋がりうるんだ。」
A先生「うーん…一口に『薬の影響』と言っても、色々な角度から熱中症に関わってくるんですね。」
『ほむほむ先生の医学通信』では、医療の前線で25年以上診療に従事しながら様々な学会で委員を務める小児科医が、医学知識をわかりやすく解説しています。
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