新型コロナ感染やワクチンで帯状疱疹は増えるのか?大規模研究をもとにわかりやすく検証
新型コロナに感染したり、ワクチンを接種すると帯状疱疹は増える?
ある日の昼下がり、医局で一息ついていた研修医のA先生が、指導医のほむほむ先生に少し困った表情で話しかけました。
A先生「ほむほむ先生、少しお時間よろしいですか? 最近、外来で帯状疱疹の患者さんが増えたように感じていて…。患者さんから『コロナのワクチンを打ったら帯状疱疹になった』なんて声も耳にするんです。正直、どう説明したらいいのか、少し迷ってしまうことがあって…。」
ほむほむ先生「A先生、いいところに目を付けましたね。それは臨床の現場にいるからこその気づきですね。確かに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と帯状疱疹、そしてワクチンの関係は、多くの方が気になっているテーマです。では、今日はその疑問の核心に、科学的な視点から迫ってみましょうか。」
A先生「はい!ぜひ、よろしくお願いします!」
この記事を読めば、こんな疑問がスッキリします!
-
コロナに感染すると、本当に帯状疱疹になりやすいの?
-
ワクチンのせいで帯状疱疹になるって本当?
-
(ワクチンのせいではないとすると)どうして「帯状疱疹が増えた」って感じるんだろう?
そもそも「帯状疱疹」ってどんな病気?

ChatGPTで作画
ほむほむ先生「では、まず基本から。A先生、帯状疱疹の原因ウイルスは覚えていますか?」
A先生「はい。 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)…つまり、子どもの頃にかかる水ぼうそうのウイルスですよね。」
ほむほむ先生「その通り。 水ぼうそうが治った後も、このウイルスは体の中の『神経節』という、神経の根元にある部屋のような場所に静かに隠れているんです。普段は私たちの免疫力によっておとなしくしているのですが…。」
A先生「加齢やストレス、過労などで免疫機能のバランスがくずれた時に、再始動してしまうんでしたっけ。」
ほむほむ先生「そうそう。免疫の見張りが弱まった隙に、ウイルスが再び活動を始めて、神経に沿ってピリピリとした痛みを伴う発疹を引き起こす。これが帯状疱疹の正体です。生涯で3人に1人が経験すると言われるほど、実はとても身近な病気なんですよ[1]。」
A先生「3人に1人! そんなに多いんですね。思っていたよりもずっとありふれた病気なんですね。」
ほむほむ先生「そうなんです。では本題。このウイルスの再活性化に、コロナ感染やワクチンがどう関わってくるのか、信頼性の高い研究データを見ながら一緒に考えていきましょう。」
『ほむほむ先生の医学通信』では、様々な学会で委員を務め25年以上の臨床経験を持つ小児科医が、医学知識をわかりやすく解説します。無料登録で定期的に記事をお読みいただけるほか、サポートメンバーにご登録いただくと過去の記事アーカイブすべてにアクセスできます。皆様のサポートは子どもたちの健康に関する研究継続に役立てられております。よろしければご登録をご検討ください。
提携媒体
コラボ実績
提携媒体・コラボ実績

