高圧送電線は、白血病のリスクになるの?

高圧送電線の近くに住むと、白血病などのがんが増えると耳にしたことはないでしょうか。実際の研究結果はさまざまで、昔ほどは危険性が高くないという説もあります。この記事では、高圧送電線の電磁場と白血病リスクについて、わかりやすく整理します。
堀向健太 2025.01.25
サポートメンバー限定

高圧送電線の近くを歩いていると、「高圧送電線の近くに住んでいると白血病を発症しやすくなるのでは」という話題があったな、と思い出します。

実際に、高圧送電線と白血病は関連するのでしょうか。

1979年、高圧送電線の近くに住む子どもの悪性腫瘍(とくに白血病)の発生率が高いという報告が初めて発表されました[1]。これをきっかけに、「送電線の近くだとがんのリスクが上がるのではないか」という議論が続いてきたという歴史があります。

その後の研究では、送電線の近くに住むことが危険だと強く主張するものもあれば、はっきりした関連を示さないものもあります。ここでは、「なぜ高圧送電線が気になるのか」と「本当に白血病リスクを上げるのか」という2点を、これまでの研究結果をわかりやすくまとめます。

  『ほむほむ先生の医学通信』では、小児科学会やアレルギー学会などの委員を務めながら、25年以上の臨床経験を持つ小児科医が、2000本以上の医療記事で培った医学知識をわかりやすく解説します。最新の研究結果や日々の診療から得た知見を毎月4~8本の記事を直接お届けしています。サポートメンバーが増えてきたことで、無料記事もお届けできるようになってまいりました。収益は、新しい臨床研究費にあてております。ありがとうございます。サポートメンバーに登録すれば、全ての記事と過去のアーカイブに全てアクセス可能です。ぜひご登録ください。※ この記事の続きは会員限定です。登録後すぐに全文をお読みいただけます。  

***

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、4452文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

サポートメンバー限定
このUVカット服、いつまで紫外線を防いでくれるの?
読者限定
夏の子どもの肌荒れ、犯人はカビかも!?「マラセチア菌」との上手な付き合...
サポートメンバー限定
その薬、夏は危険かも?熱中症を起こしやすくなる薬とは?
サポートメンバー限定
“オニヤンマの模型”は本当に虫除けになる?科学の目で見る虫除けの真実と...
誰でも
2025年5月のニュースレター:お届けした記事の振り返り
読者限定
去年の日焼け止め、まだ使えますか?
サポートメンバー限定
新型コロナ感染やワクチンで帯状疱疹は増えるのか?大規模研究をもとにわか...
サポートメンバー限定
これから流行する時期。ペットから伝染るサルモネラ症の話