このUVカット服、いつまで紫外線を防いでくれるの?
夏の強い日差しが照りつけるある日の午後。研修医のA先生が、指導医である「ほむほむ先生」のデスクに訪れました。
A先生「ほむほむ先生、少しご相談よろしいでしょうか。先ほど、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんを持つお母さんから、紫外線対策について質問されたんです。『UVカットのベビー服は毎日洗っても大丈夫なんでしょうか?』と聞かれて…。自信を持って答えられず、なんだか申し訳なくて。」
ほむほむ先生「なるほど、それは重要な疑問だと思うよ。多くの人が頼りにしているUVカット製品の効果がいつまで続くのか、尋ねられることもあるよね。では今日はUVカット製品の“寿命”と、その効果を最大限に引き出すための賢い付き合い方について、一緒に深く掘り下げてみようか。」
本記事を最後まで読めば、
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UVカット服、洗濯で効果は落ちる?
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効果が長持ちする服の選び方とは?
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意外と知らないUVカットの落とし穴
これらの疑問にお答えできるよう執筆しました。
UVカットはどのように効果がある?「後加工」と「練り込み」って何が違うの?

ChatGPTで作画
A先生「先生、早速なんですが、基本的なところから教えていただけますか?そもそもUVカットの服って、どんな仕組みで紫外線を防いでいるんでしょうか。」
ほむほむ先生「そこが一番のキモですね。UVカットと一言で言っても、実は服の作り方によって大きく『後加工(コーティング)タイプ』と『練り込み(機能糸)タイプ』の2種類に分けられるんだよね[1]。」
A先生「後加工…! 字の通りだと、生地ができた後で何かを加工する、みたいなイメージでしょうか?」
ほむほむ先生「その通り。生地の表面に日焼け止めクリームを塗るようなイメージだね。専門的に言うと、紫外線を吸収する『紫外線吸収剤』や、物理的に跳ね返す『紫外線散乱剤』をコーティングする方法だよ。日傘の内側がキラキラしたシルバーだったり、真っ黒だったりするのも、この後加工の技術が使われていることが多いんです。」
A先生「日焼け止めクリームのイメージ、すごく分かりやすいです!では、もう一方の『練り込み』というのは?」
ほむほむ先生「こちらは、ポリエステルみたいな化学繊維を作る、もっと前の段階で仕事をする技術なんだ。酸化チタンのような紫外線をカットする小さな粒子を、糸の原料そのものに混ぜ込んでしまうんだね。つまり、繊維一本一本が、生まれつきUVカット機能を持っている状態になるというわけです。」
A先生「へえぇ、作り方が根本から全く違うんですね!それは知りませんでした。」
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