ショート動画の沼、抜け出せないのはなぜ? 子どもの脳と心への影響と付き合い方

つい見てしまうTikTokのようなショート動画。その魅力の裏には、人間の脳の仕組みを利用した巧みな「デザイン」が隠されています。心も体も大きく成長する時期の子どもたちには、どのような影響があるのでしょうか。この記事では、ショート動画の依存性のメカニズムから、最新研究が示す子どもの発達への影響、そして家庭でできる具体的な対策までを深く掘り下げていきます。
堀向健太 2025.07.11
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ある日の昼下がり。医局でタブレットを見ていた研修医のA先生が、少し険しい顔で指導医のほむほむ先生に話しかけました。

A先生「先生、最近ニュースでTikTokのことが話題になっていますよねアメリカでは国の安全保障の問題として、事業の売却を迫るなんて話まで出ていて…[1]。一企業のアプリが、国際問題になるなんて、すごい影響力ですよね。」

その言葉に、ほむほむ先生はコーヒーカップを置いて、穏やかに頷きました。

ほむほむ先生「うん、A先生の言う通り、社会的な影響力の大きさが注目されている証拠だよね。でも、僕たち小児科医にとっては、もっと身近で切実な問題なんだ。政治や経済の話だけじゃなく、成長していく子どもの脳と心に、この短編動画がどんな影響を与えているのか、そんなの視点も必要であることが、さまざまな研究から示されるようになっているんだ。今日は少し、その話を深掘りしてみようか。」

本記事を最後まで読めば、

・動画にハマってしまう脳の「仕組み」とは?
・最新研究が示す脳へのリアルな影響は?
・家庭でできる具体的なルール作りのコツは?

これらの疑問にお答えできるよう執筆しました。

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