警報基準を超えて流行している伝染性紅斑(りんご病)とは?妊婦さんに感染すると大きな問題が起こるメカニズムは?小児科医が解説
「りんご病(医学的には伝染性紅斑と呼びます)」の患者数が、6年ぶりに都の警報基準を超えたというニュースを目にしました[1]。
実際、現在、伝染性紅斑の患者さんはすごい勢いで伸びています。
定点あたりの人数というのは、決められた医療機関において伝染性紅斑を確認した人数のことで、決められた医療機関あたりの患者報告数が1週あたり2.0人を超えると警報開始となります。
例えるならば、天気予報で言う「大雨警報」や「洪水警報」のようなものですね。
伝染性紅斑は、妊婦や血液疾患のあるひとが感染した場合は大きな問題が起こる可能性がある感染症です。これは、伝染性紅斑の原因となるヒトパルボウイルスB19の性質に関係しています。
伝染性紅斑は、大きな問題が起こるリスクをはらむにもかかわらず、「りんご病」という可愛らしい名称のために、そのような危ない感染症であることを忘れがちです。
そこで今回は、伝染性紅斑について、歴史から紐解いてみましょう。
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