スギ花粉症の発見と対策の歴史。スギ花粉のシーズンが始まる前に。|第10回
スギ花粉症の本格飛散の時期が近づいています。
今年も2月から飛散がはじまるようです[1]。
すでに、わずかながら飛散していますので、症状が出始めている方もいるかもしれません。
初期療法といって、症状がではじめたら早めに治療を開始すると、その症状のヤマを低くすることができます[2]。外来が混み合う前に、かかりつけ医の先生にご相談くださいね。
それはさておき、本来は免疫にとって敵ではないはずの花粉。
人類は、花粉をどのように知り、そしてアレルギーの原因として認識し、そして対応しているのでしょうか。
今回は、その歴史を振り返ってみたいと思います。
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花粉発見の歴史。
そもそも、花粉はどのようにみつかったのでしょう。
その歴史は、17世紀後半から18世紀初頭までさかのぼります。
ドイツの医師であり植物学者であったルドルフ・ヤコブ・カメラリウスは、植物には雄しべと雌しべがあり、植物の有性生殖を初めて証明しました。
ルドルフ・ヤコブ・カメラリウスhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%97%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9
そして、進化論で有名な科学者チャールズ・ダーウィンは、1862年に "The Various Contrivances by which Orchids Are Fertilized by Insects"(ランが昆虫によって受粉される様々な工夫)を出版しました。
チャールズ・ダーウィンhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3
ダーウィンは、ランが特殊な形や構造をしていることに着目し、ランの見た目はきれいに見せるためではなく、ハチやチョウ、ガなどの昆虫を誘引していると考えたのです。
DALL-E3で作画
そして、ランの中には雌の昆虫のように見える部分や匂いを持つものがあり、雄の昆虫を騙して近づけて花粉を拾わせ受粉に役立てていることを示しました。