喘息の子どもにフルミストは使える? 研究と日本の推奨から考える
インフルエンザが流行しています。
国内で鼻スプレー型のワクチンであるフルミストを使うのは3シーズン目になりました。[1] 外来でもよく尋ねられるようになっています。
選択肢が身近になるほど、喘息のある子どもでは何を確認すればよいかが気になりますよね。というのも、日本小児科学会は喘息のある人に、フルミストよりも注射のワクチンを勧めているからです。
フルミストで喘息の悪化は増えなかったという研究があるのに、なぜ注射が勧められるのでしょうか。喘息の薬を休めばフルミストを選べるのでしょうか。二つの疑問を解いていきます。
本記事を最後まで読めば、
・喘息があるとフルミストは使えませんか?
・研究結果と日本の推奨はどうつながりますか?
・薬や最近の症状をどう伝えればよいですか?
これらの疑問にお答えできるよう執筆しました。
喘息の子どもの接種で確かめること

ChatGPT Image2.5で作画
A先生「先生、ちょっと相談してもいいですか?先日、外来で『注射が苦手な喘息の子どもなのですけど、鼻のワクチンをしたいんです』と相談されて、説明に迷っちゃったんです。日本では注射が勧められていますよね。さらに『いつもの吸入を休めば受けられますか』とまで聞かれて、答えに詰まっちゃって……。」
ほむほむ先生「ああ、それは答えに詰まるよね。でも、良いところに気づいたね。実は、その二つはつながっている疑問なんだ。先に日本での状況を伝えておくと、日本小児科学会は喘息のある人に、注射の不活化ワクチンを勧めているんだよ。不活化ワクチンは、感染する力をなくしたウイルス由来の成分を使うワクチンだ。[2] 喘息児に注射を勧める方針は、2024年の見解と2025/26シーズンの指針に示されているんだ。フルミストを希望するときは、この推奨を踏まえて接種医と相談することになる。[3][4]」
A先生「なるほど。最初にそこを伝えれば、研究の説明だけを聞いて『喘息でも誰にでも勧められる』とは受け取りにくいなあ。でも、喘息なら全員、接種できないという意味なんですか?」
ほむほむ先生「うーん、そこは分けて考えないといけない。日本の添付文書(薬やワクチンの公式な説明文書)で対象となる年齢は2歳以上19歳未満だ。重度の喘息や喘鳴の症状がある人は『接種要注意者』だけど、喘息という診断だけで全員を『接種不適当者』とする記載ではないんだ。接種できない条件と、優先して勧める方法は別なんだよ。[5]」

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A先生「つまり、予診票の『喘息』に丸が付いているだけでは、全員がフルミストが使えない、そういうわけでもないということですね? そもそも、生ワクチンを鼻に入れる仕組み自体も、少し心配になりますね。」
ほむほむ先生「たしかに。フルミストは、病気を起こす力を弱めたウイルスを使うワクチンなんだ。比較的低い温度で増えやすく、高い温度では増えにくい性質があって、鼻などの粘膜で免疫が働くきっかけをつくるんだよ。 [6]」
A先生「接種したあとに気道で何が起きるかを、実際に確かめる必要があるってことですか?」
ほむほむ先生「その通り。喘息では気道に炎症があって、刺激に敏感になっているんだ。ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸の音を『喘鳴』というけれど、接種でこれが増えないか、喘息が悪化しないかを確認するんだよ。でもね、A先生。インフルエンザそのものも発作や肺炎につながり得るよね。僕たちが考えたいのは、その子をインフルエンザからどう守るか、なんだ。[5][7]」
ここから先では、喘息の子どもにフルミストを接種した海外の主な研究を取り上げ、「悪化は増えなかった」という結果がどこまで言えて、どこから先は言えないのかを読み解きます。重い喘息の子どもを含む研究の数字をどう受け止めるか、吸入ステロイドと飲み薬のステロイドで接種上の扱いがどう違うか、抗インフルエンザ薬を使ったあとはどうするか、そして僕が外来で実際に使っている「鼻のワクチンを考えられる子」の目安まで、予診票を書く前に知っておきたいことをまとめました。続きは、メールアドレスを登録すると無料でお読みいただけます。
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- フルミスト接種後に喘息の悪化を調べた研究を読み解く
- 海外の条件と日本で勧める方法
- 薬の使い方と最近の症状を伝える
- 接種後にも役立つ症状と薬の記録
- まとめ
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