小児白血病に使用される「キムリア」とは?高額でも重要な治療方法と開発史を、小児科医がわかり易く解説

「キムリア」は患者さんの免疫細胞を使って白血病などと戦う、新しい治療法です。一方で、高額であることも注目されることがあります。キムリアが高額な理由や優れている点、ほかの治療法との違い、副作用や使用できる患者さんなどについて、解説します。
堀向健太 2025.02.24
読者限定

最近、ニュースで白血病治療薬「キムリア」が話題となっていました

そもそもキムリアとはどのような薬、そして治療に使われるのでしょうか?
高額であることに注目が集まっていますが、まずは「知る」ことが大事ですよね。しかし、キムリアは新しい治療薬であり、理解が難しいかもしれません。そして、なぜ高額になるのかも知りたい方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、特に小児の白血病に使われることの多いキムリアによる「CAR-T細胞療法」に関して解説します。

  『ほむほむ先生の医学通信』では、小児科学会やアレルギー学会などの委員を務め、25年以上の臨床経験を持つ小児科医が、2000本以上の医療記事で培った医学知識をわかりやすく解説します。最新の研究結果や日々の診療から得た知見を毎月4~8本の記事を直接お届けしています。サポートメンバーが増えてきたことで、無料記事もお届けできるようになってまいりました。ありがとうございます。サポートメンバーに登録すれば、全ての記事と過去のアーカイブに全てアクセス可能です。ぜひご登録ください。※ この記事の続きは会員限定です。登録後すぐに全文をお読みいただけます。  

この記事は無料で続きを読めます

続きは、5903文字あります。
  • 「キムリア」開発の歴史
  • CAR-T細胞療法のしくみ
  • 「サイトカイン放出症候群(CRS)」や「免疫効果細胞関連神経毒性症候群(ICANS)」とは?
  • キムリアが高額な理由
  • コストと有効性のバランス
  • キムリアが若いひとの白血病に使われる理由と、それ以外のがんへの応用
  • まとめ
  • 参考文献

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

読者限定
夏の子どもの肌荒れ、犯人はカビかも!?「マラセチア菌」との上手な付き合...
サポートメンバー限定
その薬、夏は危険かも?熱中症を起こしやすくなる薬とは?
サポートメンバー限定
“オニヤンマの模型”は本当に虫除けになる?科学の目で見る虫除けの真実と...
誰でも
2025年5月のニュースレター:お届けした記事の振り返り
読者限定
去年の日焼け止め、まだ使えますか?
サポートメンバー限定
新型コロナ感染やワクチンで帯状疱疹は増えるのか?大規模研究をもとにわか...
サポートメンバー限定
これから流行する時期。ペットから伝染るサルモネラ症の話
サポートメンバー限定
道端のきれいな花、実は猛毒かも? 知っておきたい、子どものための有毒植...