腸と脳が関係する?子どもの心の安定を育む腸の秘密

子どもの「お通じ」は、実は日中の元気や集中力、さらには心の安定にも深く関わっていることがわかっています。そこで今回は、朝の排便習慣がいかに子どもの心身のパフォーマンスに影響を与えるのか、そしてそのために大人ができることについて分かりやすく解説します。実は便秘の対策には大切なヒントが隠されています。
堀向健太 2025.05.19
サポートメンバー限定

漠然と「快便は良いこと」と理解されている方は多いでしょう。しかし、それが子どもの集中力や精神的な安定にまで深く関わっているという報告は結構多いです。その理由やメカニズムを掘り下げていきましょう。

本記事を最後まで読めば、

  • なぜ朝の排便が良いの?

  • 腸と脳ってどう繋がってる?

  • 便秘が心にも影響するの?

これらの疑問にお答えできるよう執筆しました。

なぜ朝の排便が大切なの?~胃結腸反射(いけっちょうはんしゃ)の秘密~

ChatGPTで作画

ChatGPTで作画

研修医Aさん(以下Aさん)「 ほむほむ先生、こんにちは。本日はよろしくお願いいたします。子どもの朝の排便習慣が、日中の集中力や心の安定に関係するって聞いたのですけど、今日はそのお話ということでしたね。」

ほむほむ先生 「Aさん、こんにちは。実は子どもの心と体のパフォーマンスに関わる鍵があるんですね。単にお通じが良いかどうかという表面的な話だけではなく、子どもの神経系の発達や学習への準備といったところまで関わってくる、重要なテーマだと考えています。」

Aさん 「なるほど…。では早速ですが、まず基本的な疑問として、なぜ「朝」の排便が良いのでしょうか?」

ほむほむ先生胃結腸反射(いけっちょうはんしゃ)」というメカニズムがあります。具体的には、空っぽの胃に食べ物が入る刺激によって、大腸が動き出すという、体の自然な反応のことです[1][2]。」

Aさん 「へえぇ、体が自然に反応するのですね。」

ほむほむ先生 「特に朝のほうが、夜間に何も食べていない時間が長いため、この胃結腸反射が最も強く起こりやすいのです[2]。」

Aさん 「なるほど!」

ほむほむ先生 「ですから、朝食後は自然と便意を感じやすい時間帯と言えます。この体のリズムを利用することが、スムーズな排便習慣を作る上で合理的だろうと思います。」

Aさん 「体が「出す準備」を自然にしてくれるタイミングが、朝、朝食後なのですね。習慣化もできるのですか?」

ほむほむ先生 「ええ、毎朝のリズムを意識して排便の時間を設けてあげると、もともとある腸のリズムが戻ってきて、よりスムーズな排便につながると考えられます[3]。」

  『ほむほむ先生の医学通信』では、様々な学会で委員を務め25年以上の臨床経験を持つ小児科医が、医学知識をわかりやすく解説します。無料登録で定期的に記事をお読みいただけるほか、サポートメンバーにご登録いただくと過去の記事アーカイブすべてにアクセスできます。皆様のサポートは子どもたちの健康に関する研究継続に役立てられております。よろしければご登録をご検討ください( この記事はサポートメンバー限定です)。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、3997文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

サポートメンバー限定
新型コロナ感染やワクチンで帯状疱疹は増えるのか?大規模研究をもとにわか...
サポートメンバー限定
これから流行する時期。ペットから伝染るサルモネラ症の話
サポートメンバー限定
道端のきれいな花、実は猛毒かも? 知っておきたい、子どものための有毒植...
読者限定
なぜ?ワクチンがあるのに水ぼうそう再流行 その背景とは
サポートメンバー限定
公園のハトから鳥インフルをもらうことはあるの?
サポートメンバー限定
保育園に行き始めると風邪が増えるのはなぜ? 小児科医が免疫と成長の視点...
読者限定
予防接種、ためらう心と「変われない」信念の違いとは
サポートメンバー限定
子どもとカフェインの知っておきたい影響とは?