アトピー肌はよく洗う?洗いすぎ注意?科学的根拠に基づく「洗い方」を専門家が解説
更新に1週間ほど間隔が空きましたが、いかがお過ごしでしょうか。診療に加えて、研究や学会の仕事に時間が溶けていて、厳しい毎日をすごしています。今回も出典をあわせて15000文字以上の記事を書き上げました。先月は短期間、読者限定無料記事設定をお届けしましたが、いかがだったでしょうか。毎回、全力で書いていますので、感想などをSNSなどで発信いただけると嬉しいです!
(9月8日7時追記) 今回はサポートメンバー限定記事とするつもりだったのですが、勢いで読者限定無料記事にしてしまっていました。数日ほどでサポートメンバー限定になると思います。
(9月10日17:20追記)次の記事が完成に近づいてまいりましたので、予定通りにサポートメンバー限定に変更いたします。多くの「役に立ちました」「面白かった」というSNSの反応をありがとうございました!定期的に期間限定の無料記事も配信してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。今後、最初からサポートメンバー限定の記事の割合も増えてくる予定です。
ほむほむ先生が温かいコーヒーの湯気を楽しんでいると、研修医のA先生が少し強張った表情でほむほむ先生のデスクに訪れました。
「先生、少しよろしいでしょうか…」
「おや、A先生。どうぞどうぞ。何か悩み事かな?」
席に着くなり、A先生は思い詰めたように切り出した。
「アトピー性皮膚炎の赤ちゃんのことで…。お母さんに保湿と洗浄の指導をしたのですが、先日、『親戚から“アトピーは石鹸で洗わない方がいい”って言われたんです』と不安そうに相談されてしまって…。どう説明すればいいのか分からなくなってしまいました」
その悩みに、ほむほむ先生は頷いた。
「A先生がそう悩むのも無理はないよ。洗浄の考え方は、この数十年で大きく変わってきたからね。今日は、その“なぜ変わったのか”という歴史から、最新の研究が示す“未来の常識”まで、一緒に見ていくことにしようか」
本記事を最後まで読めば、
・アトピー肌にとって「洗うこと」の本当の意味
・症状や季節に合わせた「賢い洗い方」のコツ
・「保湿は3分以内」は本当?最新の保湿ケア術
これらの疑問にお答えできるよう執筆しました。
なぜ洗浄が重要?アトピー性皮膚炎と「皮膚バリア機能」の深い関係

ChatGPTで作画
A先生「ほむほむ先生、先ほどもお話しした通り、皮膚を清潔に保つことと、デリケートな肌のバリア機能を守ること、この二つのバランスが難しいと感じています。患者さんのお宅によって考え方も様々で…」
ほむほむ先生「うんうん、現場では日々、そういった声に直面するよね。だからこそ、なぜそうするべきなのか、その科学的な根拠、つまりエビデンスを自分の言葉で語れるようにならなければいけないんだよね。今日はその最適なバランスを一緒に探していこう。そもそもアトピー性皮膚炎は、強いかゆみがある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す、長く続く皮膚の病気だよね[1]。そして、その根底には『皮膚のバリア機能が弱い』という特徴がある[2]。これが、A先生が悩んでいる『洗い方』と、具体的にどう関係してくるんだと思うよ。」
A先生「はい、そこが一番の核心ですよね。バリア機能が弱いから、洗いすぎるとさらに壊してしまうのでは、という懸念がまず浮かびます」
ほむほむ先生「その通り。それがかつての『洗わない方がいい』という考え方の根拠だった。でもね、実はそのバリア機能の破綻こそが、すべての出発点であり、だからこそ『賢い洗浄』が必要になる、という逆説的な関係にあるんだよ」
A先生「逆説的、ですか?」
『ほむほむ先生の医学通信』では、医療の前線で25年以上診療に従事しながら様々な学会で委員を務める小児科医が、医学知識をわかりやすく解説しています。無料登録で定期的に記事をお読みいただけるほか、サポートメンバーにご登録いただくと過去の記事アーカイブすべてにアクセスできます。
皆様のサポートを子どもたちの健康に関する研究継続に役立てております。サポート、心より感謝申し上げます。
提携媒体
コラボ実績
提携媒体・コラボ実績

