観葉植物に、PM2.5を除去する効果はあるの?

黄砂の季節です。黄砂は「PM2.5」のひとつです。「そのPM2.5を観葉植物で除去できないのか」という質問を受けました。そもそも、PM2.5とは何なのでしょうか?観葉植物でPM2.5を減らすことができるのでしょうか?
堀向健太 2025.03.30
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2025年3月25日から26日にかけて、日本列島の広範囲に黄砂が飛来しました[1]。黄砂とは、空気中の小さな粒「PM2.5」のひとつで、健康に悪影響を与えることがわかっています[2]。

そして、「観葉植物は部屋をきれいにする作用がありますよね? 黄砂の影響も減らしたりしてくれるのですか?」と尋ねられました。

観葉植物にそのような効果はあるのでしょうか?

そこで今回は、PM2.5とは何か、どんな健康への影響があるのか、そして観葉植物が本当に部屋の空気をきれいにできるのかについて解説します。

PM2.5って何?大きさはどれくらい?

ChatGPTで作画

ChatGPTで作画

PM2.5とは、空気中にある直径2.5マイクロメートル(μm)以下の小さな粒子のことです[3]。

この粒子はとても小さいため、目で見ることができません。どれくらい小さいかというと、人間の髪の毛の直径(約70μm)の約30分の1、またはスギ花粉(約30〜40μm)の約12分の1ほどの大きさです[3]。

Claudeを利用して筆者作成

Claudeを利用して筆者作成

PM2.5は、あくまで小さな粒子のことですので、様々な物質が含まれます。

屋外では車の排気ガス、工場の煙、火力発電所、ごみ焼却、森林火災、そして黄砂などからでてきます[3]。
なお黄砂とは、東アジア内陸部の砂漠や乾燥地帯から強風によって巻き上げられた砂ぼこりが、偏西風という強い風に乗って飛来する砂ぼこりを指します。

屋内では、料理(特に油を高温で使うとき)、タバコ、暖房器具、ろうそくやお香を燃やすときなどで発生します。また、窓やドアの隙間から外のPM2.5が入ってくることもあります[3]。

PM2.5が、どれくらいだと問題なの?

世界保健機関(WHO)は、2021年に基準値を更新し、24時間平均15μg/m³以下が望ましいとしています[1]。

24時間平均15.0μg/m³以下っていわれても、イメージがわきませんね。

PM2.5が24時間平均15μg/m³というのは、空気1立方メートル(1m³)の中に15マイクログラム(0.000015グラム)のPM2.5が含まれているということです。すなわち、たとえば一般的な学校の教室(幅6m×奥行き8m×高さ3m = 約144m³)の空気中に含まれるPM2.5の総量は約0.00216グラムとなります。これは米粒1粒(約0.02〜0.025g)の約10分の1程度の重さです。

chatGPTで作画

chatGPTで作画

むちゃくちゃ少ないように思えますね。

しかし、PM2.5はすごく小さな粒子でしたね。
ですので、数で考えると思ったより多くなります。

たとえば、PM2.5が15μg/m³ただよっている空気中には、1立方センチメートルあたり約1,000〜3,000個のPM2.5粒子が浮遊していると推定されます。(※ただし、この粒子の数はあくまで目安です。PM2.5は、実は大きさや重さがちょっとずつ違う、色々な小さな粒が集まったものです。ですので、すごく軽い粒がたくさん集まっている時と、少し重めの粒がちょっとだけ集まっている時では、全体の重さが同じ15μg/m³でも、空気中の粒の数は変わってきます)

つまり、この目安で考えると、ペットボトル1本分(500ml = 500cm³)の空気中には約50万〜150万個もの微小粒子が含まれている計算になります。

chatGPTで作画

chatGPTで作画

なんとなくイメージが掴めてきたでしょうか。

そして、晴れた日の郊外や公園の空気には、PM2.5は大体5〜10μg/m³くらい漂っていて、その程度であれば空気がきれいだと感じる状態です。

一方、日本の環境省は、PM2.5の基準を24時間平均35μg/m³以下としています。そして、24時間平均が70μg/m³を超えると注意喚起が行われることになっています[5]。

24時間平均35μg/m³以下とは、雨の日に窓を少し開けていると、窓辺に少しだけホコリがたまる程度の量、そして、24時間平均70μg/m³を超える意喚起レベルは、黄砂が多い日や、遠くで山火事があった日のような状態です。

PM2.5が子どもに与える影響は?

子どもは、大人よりもPM2.5の影響を受けやすいと考えられています。

短い期間でもPM2.5にさらされると、咳、ゼーゼーする、息苦しさといった症状が出たり、アレルギー反応が悪化したり、喘息発作が起きたりすることがあります[6]。

そして長い期間さらされ続けると、肺の発達が妨げられたり、喘息やアレルギーになるリスクが高まったり、呼吸器の感染症にかかりやすくなったりする可能性があります[7]。

また、神経発達にも影響する可能性が示唆されており、知能指数(IQ)や学業成績との関連も検討されています[8]。さらに、免疫システムの発達をじゃましたり、感染症にかかりやすくなったりする恐れもあります[9]。

さてさて、PM2.5のイメージがつかめてきましたでしょうか。

そのようなPM2.5を、観葉植物がきれいにしてくれるなら助かりますよね。

科学的に掘り下げていってみましょう。この話題は、歴史的には1989年まで遡ることになります

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