ハウスダスト中の食物が、子どものアレルギーを発症させる?|第7回

ハウスダストにはダニや食物のタンパク質が含まれており、これが子どものアレルギー発症のリスクを高める可能性があります。そのことが判明してきた歴史をひもといてみましょう。
堀向健太 2023.10.16
読者限定

こんにちは。

今回は、家の中のホコリ、いわゆるハウスダストには食物のタンパク質が含まれており、食物アレルギーの原因になっているという話をさせていただきます。

***

先日、このようなポストをさせていただきました。

『ハウスダスト中にクルミが含まれていて、クルミアレルギーの原因になっているかも』という、最近の研究結果に基づいたポストです。

ほむほむ@アレルギー専門医:ニュースレター|noteメンバーシップ開始しました😌
@ped_allergy
クルミアレルギーの有症率が大きく増えています。
その理由の一つとして、クルミを食べる量が多い家庭ではハウスダスト中のクルミ量が増えてクルミアレルギーの発症リスクになる可能性があることが報告されました。…
2023/10/08 23:31
501Retweet 1135Likes

ハウスダストに食物のタンパク質が含まれているというと、驚かれるかもしれません。

しかし、家の中に『ダニ』が存在することは、多くの方がご存知でしょう。

***

次回以降 メールで記事を お届けすることができますので、よろしければご登録をよろしくお願いいたします。

1歳のときに多くのダニのタンパク質にさらされると、喘息を発症しやすくなる?

ハウスダストに含まれるダニのタンパク質は、喘息の発症リスクや喘息発作のリスクを増加させることが知られています。

英国プール総合病院小児科で、1979年から1989年にかけて、1歳のときのハウスダスト中のダニの量と、11歳児の喘息の発症リスクの関連が検討されました。

その結果、1歳時点で多くのダニに暴露されている子供は、11歳時点での喘息のリスクが高まることが報告されたのです。ハウスダスト1グラムの中に10マイクログラム以上のダニのタンパク質が含まれていると、喘息の発症リスクが4.8倍になるというのです[1]。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、5548文字あります。
  • 新生児の皮膚にピーナッツオイルを塗ると、ピーナッツアレルギーの発症リスクに?
  • ハウスダストに含まれるピーナッツの蛋白質
  • 食物のタンパク質は拡散しやすい
  • 家庭のマットレスやベッドシーツのハウスダストとさまざまな食物アレルゲン
  • ハウスダスト中のピーナッツタンパク質を食べてアレルギー症状が出る可能性は低いものの食物アレルギーの発症リスクが高まるといえる

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

サポートメンバー限定
米国医療政策の転換点?:FDAワクチン部門トップ辞任の意味するものとは...
サポートメンバー限定
観葉植物に、PM2.5を除去する効果はあるの?
サポートメンバー限定
胃腸炎が、うつ病の発症に影響するってホント?
読者限定
色んなヨーグルトをローテーションして食べるほうが、腸内環境が良くなるの...
サポートメンバー限定
大食いなのに太らない人の秘密とは?
サポートメンバー限定
スマホのダークモード、ブルーライトカットメガネ。本当に目にやさしい?
サポートメンバー限定
魚を食べると、認知症予防に働きますか?
読者限定
魚の骨はレントゲンに写らない?子どもの「誤飲事故」の知識